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バトシーラー日記

あまり知られていない様々な真実の知識をお届けします


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“出口”も“入口”も封鎖されてしまった現代の農業


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穀物メジャー』の存在は昔から有名だが、21世紀に入って、遺伝子組み換え技術を駆使して穀物などの種子を開発する企業(俗に『アグリバイオ企業』と呼ばれる)が急速に伸びてきた。今日はその手口を紹介しながら突破口を探っていきたい。

穀物を栽培するには当然「種」が必要です。上に書いた穀物メジャーが「出来上がった」商品を牛耳る会社ですが、同様に種の世界でも、大手企業による独占が進んでいるのです。

遺伝子組み換え技術は病害虫に強い品種を作ることがそもそものスタートでしたが、これをビジネスに応用していくようになります。特に有名な技術がモンサントが開発した「ラウンドアップ」です。(ちなみにこのモンサント社は、カーギルから中南米やアジア、アフリカ地域などでの種子事業を買収しています。また、「サッカリン」や「枯葉剤」を開発したことでも知られています。)

ラウンドアップ」とは除草剤の名称です。この除草剤は非常に強力で、散布すると雑草だけでなく、全ての植物を枯らしてしまうのですが、遺伝子組み換えを行った種子はラウンドアップに対する耐性を持っているために枯れないのです。

遺伝子組み換え技術は、このような「種子と農薬をセットで販売」するビジネスモデルを可能にしました。

遺伝子組み換え技術も強烈なものになると、採取した種子を使用できなくしてしまう技術なども存在します。種を蒔けば普通に作物は採取できるのですが、その採取した作物から採取した種は、発芽しないようにされているのです。

遺伝子組み換え作物はこのモンサントシンジェンタの影響力が非常に大きく、また、世界の種子市場は上位10社で、半分以上が独占されているというレポートがあります。

これらのアグリバイオ企業が、かつての石油メジャーや穀物メジャーのように、市場で大きな影響力を与える日も近いかもしれません。


 農産物の品種改良=遺伝子組み換えは、病害虫対策以外にも、種無しスイカに代表されるように、消費者ニーズに密着した側面も持っていた。しかし最近は、消費者の期待に応えるためのバイオ技術はあまり耳にしなくなった。そして遂に、農産物出荷後の“出口”を『穀物メジャー』に押さえられて進展してきた20世紀農業は、21世紀に入って、種子と農薬をセットにした戦略を展開する『アグリバイオ企業』に“入口”を押さえられようとしている。これは非常にヤバイ状況だ。

 元々農産物をめぐる攻防は、発展途上国や食料輸入国の政府vs国際大資本という構図だった。これは、集団原理vs市場原理の戦いと言い換えることもできる。しかし、国家側は連戦連敗を続けてきて、最早何の展望も感じられないところまで来ている。だとすれば、この市場化の流れに抗して新しい方向性が提示できるのは、現実的にはおそらく中小企業を中心にした新規参入者だけだろう。