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バトシーラー日記

あまり知られていない様々な真実の知識をお届けします


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破綻に向かうTPP謀略


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二一日(アメリカ時間)、次期アメリカ大統領トランプが国民にむけたビデオ声明で、来年一月二〇日の大統領就任初日に、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から離脱する意思を表明することをあきらかにした。トランプを翻意させようとしてきた現大統領オバマや日本独占資本、安倍晋三らは一縷の望みもたたれ、日本独占資本、安倍政府は上を下への大騒動になっている。この四年間、日本人民をあざむいて売国TPP協定の締結・批准に奔走し、日本の全産業をアメリカ独占資本に開放するために農業をはじめ、つぎつぎと各産業と国民生活に犠牲をおしつけてきた安倍政府の犯罪は重大である。安倍政府を打倒し、「安保」破棄・米軍基地撤去、対米従属打破・独立の大衆的運動を大いにまきおこそう。

あわてる安倍に又も冷や水
 トランプは大統領選挙中から再三再四、TPPからの離脱、NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉などを主張してきた。アメリカ独占ブルジョアジーの主流も日本独占資本と安倍政府もクリントンが勝つと信じてうたがわず、安倍は選挙期間中にクリントンとの会談のために訪米したくらいである。
 しかし、情勢はオバマや安倍らの予想をこえていた。トランプが勝ったのである。安倍は慌て、一〇日に電話でトランプと会談し、ペルーでおこなわれるAPEC首脳会議にゆく途中でよいからと懇願して一七日(現地時間)、トランプとニューヨークのトランプタワーで会談した。
 安倍はトランプと「個人的信頼関係」をつくり、クリントンに肩入れした失態をとりつくろおうとした。一時間以上という会談の後、安倍は、「トランプ氏は信頼できる指導者だと確信した」とか「ともに信頼関係を築いていくことができると確信のもてる会談だった」と語り、一月二〇日の大統領就任式のあと正式な首脳会談をもつことで一致したといった。
 そうして安倍はAPEC首脳会議のためペルーにいっても、TPP参加一二カ国の会議でもTPPがアメリカにとって利益のある協定であるといった。臨時国会でもTPP批准の審議を強引にすすめ、トランプ翻意の条件をつくろうとした。
 ところがそれをみすかしたかのように、トランプが二一日、「TPPから離脱する」と声明し、冷や水をぶっかけたのである。オバマも、日本独占資本、安倍もなんとか取り繕おうとしているがTPPは破産である。

破たんしたアジア重視戦略
 TPPは、オバマ政府がとってきた「アジア太平洋重視」戦略の柱の一つで、中国を経済的に包囲し、日本経済への支配を段階画して強めるものである。
 ところが、このTPPが御破算になったのである。トランプはオバマクリントンが追求してきた戦略の転換を主張しており、オバマクリントンらの戦略でひたすらすすんできた安倍らは呆然自失の体である。
 それは、アメリカ帝国主義が、多国間の経済協定でアジア諸国を糾合して中国を包囲するというような世界支配、アジア支配を第一にした経済戦略ではなく、アメリカの国内問題を優先して二国間協定を追求するというものである。それはひきつづき帝国主義的なもの以外ではありえないが、しかし、アメリカ帝国主義が、世界支配政策としての経済戦略をうつ力を喪失したということの表明にほかならないものであった。
 アメリカ帝国主義は、一九七〇年代の金・ドル交換停止後、一九八〇年代のレーガン政府いらい、新自由主義・資本のグローバル化を推進し、世界支配のために経済戦略をすすめてきた。一九九一年のソ連崩壊後はいっそうそれを強め、クリントン政府、ブッシュ政府、オバマ政府と経済戦略の面からも世界支配をなんとか維持しようとしてきた。
 しかし、新自由主義による資本のグローバル化は内外ともに矛盾を空前に激化させた。

グローバル化の末路は衰退
 第一に、アメリカ国内で貧富の格差を段階画してすすめ、階級矛盾を前代未聞の大きさで激化させた。一%の金融資本どもにとって天国であり、九九%の人民にとっては地獄である。この階級矛盾の激化とアメリカ人民の憤激の高まりをアメリカ独占ブルジョアジーはひじょうに恐れた。
 第二に、新自由主義、資本のグローバル化は、中東やアフリカへの侵略戦争に見られるように、被抑圧諸民族と国家に未曾有の災厄をもたらし、被抑圧民族と諸国と世界人民の憤激をよびおこした。
 アメリカ帝国主義が介入するところはどこでも人民が虫けらのように殺され、国は崩壊し、瓦礫の街と化し、破壊だけをつくりだした。中東とアフリカの人民はアメリカ帝国主義にたいする民族的怒りをもやし、その侵略政策と断固としてたたかい、アジアでもフィリピンのドゥテルテのように「アメリカと絶縁する」と公然と反旗をひるがえす流れが世界的な趨勢となっている。
 第三にアメリカ帝国主義自身の国力がまったく衰弱した。アメリカ金融資本や独占資本は桁外れの富を蓄積している。だがアメリカという国はぼうだいな借金をかかえ、国内産業は衰退し、オバマ政府のときには二度も債務不履行の危機に遭遇し、いまや国防予算をはじめ、大規模な予算削減をやらざるをえない。アメリカ金融資本はカネをもっているがアメリカ政府にはカネがない。国家崩壊の危機にある。
 アメリカ帝国主義は戦後持続してきた世界支配の頭目としての役割をすべりおちるところへきた。トランプの「アメリカ・ファースト」の意味は、アメリカ帝国主義が世界支配を第一義としてきた役割はもう担えないということである。
 こうして、トランプによる「TPPからの離脱」という戦略の転換は、アメリカ帝国主義のどうすることもできない力の衰退のなかから出てきているものであり、トランプ個人の意向というものではない。
 アメリカ帝国主義内部の諸勢力のなかで、オバマクリントンらは一九七五年以降の世界支配を第一義とする潮流の一翼であり、世界に膨張しようとする金融資本、独占資本の代理人であり象徴であった。それは内外の人民の斗争によって鉄槌がくだされた。長期にわたるアメリカ帝国主義の凶暴な政治的軍事的世界支配の野望のバブルが大統領選挙ではじけとんだのである。

世界のすう勢は反米・独立
 安倍はアメリカ帝国主義にたいして、ひきつづき強大な世界支配の力を発揮してもらい、その庇護のもとで利権にありつこうと願望している。
 だが、アメリカ帝国主義自身が戦略転換にふみださざるをえないところまで衰退した。安倍がトランプに三拝九拝して懇願したところで、内外のきわめて激化する矛盾を前に、トランプはTPPから離脱するという転換にふみださざるをえない。それを放置すれば、アメリカの階級斗争は支配階級の予測をこえて発展する趨勢にある。
 アメリカ帝国主義がどのような戦略をとるかは今後の問題であるが、アメリカの金融資本、独占資本とたたかうアメリカ内外の人民斗争はさらに発展することはうたがいなく、独立・平和をもとめる世界的趨勢はこれまで以上に発展することはうたがいない。
 トランプが「TPPからの離脱」を表明し、安倍らが大騒動になっていることは、人民斗争にとってよいことであり、安倍政府打倒、「安保」破棄、米軍基地撤去、アメリカ支配からの脱却のたたかいをさらにおしすすめる好機である。