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バトシーラー日記

あまり知られていない様々な真実の知識をお届けします


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アメリカのアサド政権転覆謀略が破綻へ


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 シリアでは、アメリカによる傭兵テログループの政府転覆策動をうちやぶる最終局面をむかえている。北部の都市アレッポから傭兵テログループを一掃することが時間の問題となった。

傭兵テロをつかった米帝国主義に打撃
 アレッポはアメリカの政府転覆活動がはじまる二〇一一年以前、人口五〇〇万人をかぞえ、首都ダマスカスの一七〇万人をはるかに上まわるシリア第一の商業都市だった。アメリカのオバマ政府は、CIA(アメリカ中央情報局)の指揮のもと、傭兵テログループによって内戦を引きおこし、シリア各地の都市を占拠した。そのための傭兵、武器・弾薬、資金の多くが、カダフィ政府転覆直後のリビアからはこびこまれた。その指揮をとったのが当時、国務長官だったクリントンである。

イランやロシア支援で反撃
 アレッポの大半は傭兵テログループに占拠されたが、同市の西部地域はシリア政府軍がふみとどまり、二分状態だった。昨年らい、シリアの人民と政府、レバノンイスラム系武装グループ・ヒズボラ、イランの革命防衛隊、イラク民兵組織の支援、そしてロシア軍の空爆支援をうけて、各地で反撃を強め、各地で傭兵テログループを敗走させている。
 アレッポでは今年にはいって反撃を強め、この夏にはテログループが占拠する東部地域を逆に包囲し、傭兵テログループにたいして東部地域で盾がわりに使われている三〇万近くの市民の解放、同地からの退去をせまってきた。
 シリア政府軍の各地での解放作戦は、人質状態におかれている住民の犠牲をさけるために、傭兵テログループにたいして降伏か占領地からの平和的な退去をもとめてきた。降伏したものは手続きをへて恩赦となる。内戦の痛手からの回復をにらみ、こうした国民和解の方式がとられてきた。
 アレッポでもこの方式がとられ、この夏いらい、何度も停戦が実施され、一〇月から一カ月間、シリア政府軍、ロシア軍の爆撃も停止されていた。だがテログループは「徹底抗戦」をさけび砲撃をくりかえした。このため一一月下旬、東部地域の北半分に攻勢をかけ、二六日までに解放した。このなかで六万人もの住民が東部地域から退去し、シリア政府軍の救援センターに避難した。
 傭兵テログループのなかでは、各地で敗走があいつぐなかで、「いまおこっていることは分裂状態に最大の原因がある」などといい、かれらが浮足立ち、統制がとれなくなっていることをうかがわせる。
 のこされた南半分の地域の陥落・解放も時間の問題となっており、年内には傭兵テログループが一掃される見通しである。北半分の地域では、すでに避難していた住民の一部がもどり、復興に着手している。

アレッポ東部解放が天王山
 アレッポ東部全域が解放されると、ラタキアなどシリア西部の地中海沿岸地域、首都ダマスカスの位置する南部からシリア第三の都市ホムス、アレッポにいたるシリアの主要部分での統治を回復することになる。アレッポ東部地域の解放は、シリア政府転覆策動をうちくだく天王山であり、その勝利は目前にせまっている。
 すでにシリア政府軍は傭兵テログループの一掃を見通し、全土での治安と安定の回復をめざす第五軍団の設置を発表し、市民参加・入隊をよびかけている。またシリア政府は、欧州などへわたったシリア難民に祖国帰還などをうながす「欧州国民和解主幹委員会」をドイツ・ベルリンに設置することを発表した。
 シリアでの政府転覆策動がうちくだかれる最終局面にはいっていることについて、シリアのアサド大統領は一一月なかばのインタビューで、「民主主義、自由といった価値のためにたたかうことができるのは、当該国・社会の人人であって、外国人ではない」とのべて、つぎのように語っている。
 「われわれがいま直面している状況は、シリア国内でのテロリストにかかわる問題ではない。それはシリアにたいする国際的な戦争のようなものだ。テロリストは数十カ国から支援をうけている。それゆえに、シリアは友人(ヒズボラ、イラン、ロシアなど)の支援なくしてこの手の戦争と対決できない」
 そして「反体制派支援」をかかげたオバマ政府のシリア干渉を批判してきたトランプが米大統領選挙で当選したことについて、「わたしはあまり期待していない。なぜなら米政府とは大統領だけではないからだ。さまざまな勢力がおり、さまざまなロビーが大統領に影響をあたえるからだ。だからわれわれは、かれが仕事を開始するまで静観する」とのべている。
 シリア政府転覆策動をひきおこした張本人であり、悪名高い戦争屋クリントンが、アメリカ人民の世論と斗争によってたたきおこされたことは、次期トランプ政府に大きな影響をあたえるだろう。たとえトランプが、クリントンオバマのような軍事干渉を継続しようとしても中東・アラブ地域の政治情勢は大きく変化しておりこれまでどおりのことはやれない。

地に堕ちたアメリカの威信
 シリアの人民と政府がアメリカやサウジアラビアなどの親米勢力による転覆策動をはばみ、それを一掃する最終局面にはいったことで、アメリカの威信は地におちている。シリアの人民と政府を支援したレバノンやイラン、イラクなどの反米勢力はいっそういきおいづき、ロシアの地域的影響力はひろがっている。
 アラブの大国であるエジプトの大統領シーシはさいきん、テロとたたかうシリア政府と政府軍への支持を表明した。攻撃ヘリパイロットをシリア政府軍支援におくったとの報道もある。またエジプト軍は昨年、ロシア軍との海上演習をはじめて実施した。今年一〇月にはロシアの空母、エジプトのヘリ空母が参加する合同演習を実施したばかりである。
 サウジアラビアとともに傭兵テログループに武器供与をつづけてきたカタールは、次期トランプ政府のいかんにかかわらず武器供与をつづけるといっているが、「単独では増援しない」と及び腰となっている。
 ロシアのシリア政府支援には中東・アラブ地域で影響をひろげたいとする思惑があるだろう。だが各国の人民と政府が民族の独立をまもり、帝国主義の干渉をうちくだくという確固とした意志とたたかいがあれば、アメリカ帝国主義の歴史的な支配を一掃していくのに利用できる。
 アメリカ帝国主義は、イラク侵略・占領によって中東・アラブ地域への支配の立て直しをもくろんだ。だがイラク人民の抵抗斗争、アメリカをはじめとする国際的な範囲での反米斗争によって泥沼にはまり、大打撃をうけた。
 オバマ政府はその立て直しをはかるために、直接米軍地上部隊を投入するのではなく、傭兵テログループをつかって反米政府の転覆をはかろうとしたが、リビアではカダフィ政府を転覆することはできても破壊と無政府状態の混迷をまねき、シリアでは敗北の最終局面に追いこまれている。アメリカ国内では「シリアから手を引け!」の戦争反対の世論と運動は高まっている。
 アメリカはイラクでつくったカイライ政府についても、思いどおりに動かせなくなり、イラクはイランとの連携を強めている。オバマは失意のうちに来年一月、大統領の座をさることになる。
 シリアの人民と政府のたたかいの勝利は、中東・アラブ地域の反帝民族独立のたたかいを大いに激励し、この地域での帝国主義と被抑圧諸民族との力関係を、大きく変化させるものとなるだろう。