バトシーラー日記

あまり知られていない様々な真実の知識をお届けします


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謎の石

スターファイア(星の火)の謎 (その一)

 太古、地球に到来した“神々”―シュメールではアヌンナキと呼ぶ異星文明人―地球外知的生命体は、遺伝子工学を駆使して類人猿から人類を創り上げたという説がある。
 その時、選ばれた者にのみ、アヌンナキの遺伝子が授けられ、かくして王統の血族が誕生したという。だが、神々からもたらされたものは、もう一つあった。錬金術師らが求め続けた「賢者の石」がそれだ。しかし、その正体は「石」ではなかった。白く輝く黄金の粉だったのである。それは古代エジプトではシェッファ、シェマンナ、マナと呼ばれ、神々への聖なる供え物であり、ファラオが特別に食したものだった。
 実はその物質は、現代においてもアメリカの片田舎で偶然、発見されていた。
 ある農場経営者のひょんな発見から始まって、一つの謎の物質が、世界のトップ科学研究所、一流企業の研究者、政府科学者などの熱い注目を集めるところとなる。そして今現在も、我々一般大衆の与かり知らぬところで、その正体の研究と、実用開発が進められようとしている。それは究極物質―エキゾチック・マターとも呼ばれている。

ヒトと霊長類の決定的な違い

 あらためて言うまでもないが、今もアカデミズムの主流であり、教科書に載っている私たち人類が類人猿を祖先とする、という基本的なダーウィン理論には、どんなに想像力を働かせても私は同意できないでいる。生物学的に見て、極端に洗練化された私たち人類は、どう考えても猿から自然に派生、進化していったとは思えない。猿とヒトとのミッシング・リンクは存在しない。霊長類―猿は何万年経っても言葉を喋り出したり、宇宙船やコンピューターを作ったりすることは絶対にないし、芸術を創造したりはしないだろう。映画の『猿の惑星』のようなわけにはいかないのだ。私たち人類のような進化は猿にはない。ただ、異なるだけである。

 ある遺伝学者のグループが、彼らが仮定していた共通の祖先から、人類とチンパンジーの二つに分かれる時点を正確に決めようとした。旧人類学者は、その分岐点が500~800万年前に起きたことを示すタイムランを、化石化した骨から示した。そこで遺伝学者たちは、人体の細胞の核の外にある小さなDNAのかけらであるミトコンドリアに起きた突然変異を図にすることによって、分岐点の時点を見極めようと試みた。
 彼らは世界中からサンプルを集めながら、その研究を急いだ。ところが、その結論は、彼らの誰一人として予想もしていないものだった。驚いた彼らは何度もサンプルを調査したが、その結果は変わらなかった。彼らは発表するのをためらった。発表すれば、旧人類学者をはじめとして、他のあらゆる専門家から論争の火花が飛ぶことを、彼らは知っていたからだ。新しく導入されたデータとは、現生人類が出現したのはおよそ20万年前にすぎないという発見であった。予想したように、轟々たる抗議と批判は耳をつんざくように起きたという。
 時が経過するにつれて、ミトコンドリアと男のY染色体に関する多くのDNA調査から、現在ではその遺伝学者たちが正しかったことが認められつつある。抗議をした旧人類学者たちもそれを受け入れるようになったのは、遺伝学者たちが「人類は類人猿から進化した」という「前提」だけは崩していないからである。
 その後、旧人類学者たちは、500万年前のアフリカで直立に歩く人類の原始祖先が誕生し、10~20万年前に「何か」が起きて人類はほとんど消滅し、その少ない生き残りが今のような人類になっていったという説を主張し続けている。

 私たち人類が種として始まったその時期や、その時代の情況についての論争は別においても、人類には多くの不可解な問題が残っている。人為的に作られた植物や家畜などと同じように、人間というのは古典的なダーウィン論が描くパラダイムからはるか外れたところに属しているものに思える。
 実際に霊長類と人類の性質ははるかにかけ離れていて、人間には地球で発達したようには思えない性質が沢山ある。にもかかわらず、あらゆる科学的見解によって、人間が他の全ての霊長類や、特にチンパンジーやゴリラと非常に密接に関連する霊長類であると、我々は教えられてきた。この定説は私たちの精神に深く巣食っていて、二つの違いを比較すること自体がナンセンスとされている現状である。

 染色体には最も不可解な違いがある。霊長類には48個の染色体があり、人間には46個の染色体がある。人間は霊長類よりももっと広い領域において優れていると考えられているが、それならばなぜ人間の方が、霊長類の染色体よりも少ないのか? 霊長類から進化したのであれば、なぜ、その途上で人間は二つの(一対の)染色体を失くしたのかという疑問が生じる。
 一般に知られているダーウィン論的な統計として、人間の総ゲノム(全てのDNA)1%だけゴリラと違い、チンパンジーとは2%異なるという結果が出ている。
 この事実が、人間が霊長類から進化したという説の強力な裏付けとなってきた。しかし、その1~2%のヒトゲノムには、30億の塩基対があるということは強調されていない。
 これが非常に大きな違いを遺伝子的に生じさせることは言うまでもない。

「ヒトゲノム・プロジェクト」によって、最近、人間の遺伝情報の解明が進んできた。
 それによると、人間の10万から14万の遺伝子を発見する見込みがあったが、実は3万ほどしかないことが分かった。人間とチンパンジーの遺伝子は、93~98%までが全く同じだと解明された。しかし、人間の中にそれまでの進化の過程にはなかった223個の遺伝子が発見された。科学者が首を傾げた理由は、これらの遺伝子はどこから来たのか、ということだ。説明としては、バクテリアの影響によるものだという仮説があるが、検証されていない。223個とは、人間の遺伝子のほぼ1%に当たり、それは人間のチンパンジーの違いが1%から4%であるのと同じレベルの量と言える。従って、人間が猿から進化したという仮説は、この223個の遺伝子によって覆される。
 その1%の大部分は、言語と同様に論理的・抽象的な考えや創造性といった脳機能に集結されているように考えられている。
 現代科学の最大の謎の一つは、人間の進化であり、ここで述べた情報ではダーウィン理論は全く通用しないことになる。

 誰でも知っているように、コンピューターをプログラムするには、プログラマーを必要とする。世界で一般的に使われている「ウインドウズ」が、ある日突然現れたとは誰も言わないくせに、人類の起源に関して科学者たちは、誰もそのプログラマーの存在について触れないできた。地球の歴史において、石器時代から現代までのほんの一瞬に過ぎない短い期間に、宇宙船を飛ばすようになった我々は、偶然が重なって遺伝子的にユニークな種としてこの惑星に誕生したのだろうか。進化のタイムスケールからすると、現代科学を利用しない限り、新種を進化させるには数百万年という気の遠くなるほどの時間を要するものだからだ。ここで私が言いたいことは、人類の原点と歴史を明確に理解する上で、プログラマーの存在を考慮に入れなければ、人類発祥の真実には近づけないということである。
 私たちはなぜこれほど高度な脳を有しているのだろうか。地球で生きていくのに、これほど高度な脳は必要ないはずである。霊長類の脳で十分生きていけるのだから。
 その一つの答えとして、ロシアの科学者が検証した、私たちヒトの脳の90%以上は活性化されていないという研究報告が挙げられる。分かりやすい例として、宇宙はインターネットのようなものと考えてみよう。そして脳は、様々な情報を受け取るコンピューターのようなものである。未だ90%が活性化されていない脳は、一応電源は入っているものの、インターネットへの繋ぎ方も知らないコンピューターであり、私たちは何の情報にもアクセスできないでいる。
 しかし本来の脳は、宇宙に偏在する情報に直接、アクセスするために存在していると私は考えている。

“神々”の遺伝子

「有力な大統領候補は皆、高貴の血筋!」
 次期大統領選を翌年に控えた1998年10月28日。全米の各紙がそんな時代離れした感じの見出しをつけて、AP通信社から配信された記事をいっせいに掲載した。
 ヨーロッパ王侯貴族の血統・家系の権威ある調査機関「パークス・ビアレージ」の情報データに基づいたというその内容によれば、初代ワシントンから当時の現役大統領であるクリントンに至るまで、アメリカの歴代大統領は全員、祖先を辿れば必ずいずれかの王族の血を引いており、複数の候補者が立った場合、常に例外なく最も高貴な遺伝子の継承者が勝者となってきたというのだ。しかも、この高貴な遺伝子の系譜をどこまでも辿れば、行き着く先は世界最古のシュメール、エジプト、イスラエルなどの古代文明に君臨した王族の血筋につながるという。
 真実かどうかはともかく、この傾向は現代ヨーロッパの民主制・共和制諸国の元首や首長でも同様だとしている。「世界は太古の時代から、特定の遺伝子プールに属する血族によってひそかに支配されてきた」とするこの世界史観は、いわゆる全地球的陰謀史観のバリエーションの一つだが、その主張者はけっして少なくない。
 この仮説を昔ながらの“王権神授”説の現代的な遺伝子DNAバージョンと見なせば、我々日本人も、古代から天皇制の国柄を続けてきただけに、それなりの理解はできそうだ。
 ところが、高貴遺伝子プール説を唱える論者に言わせると、彼らの説には立派な生物学的根拠があるという。まず王権神授説の最重要ポイントは、一神教で言う神、多神教なら神々に王権が由来するという主張だが、この神とか神々は、けっしてただの神話的・宗教的な抽象概念ではなく、あくまで具体的な実体を持つ存在だったというのだ。
 とりわけサー・ローレンス・ガードナーやニコラス・デヴィアら近年の代表的な全地球的陰謀史論者は、神や神々の正体は地球外からやってきた異星文明人と確信している。

 神話や古代宗教の“神・神々”が異星人だったという発想は、1980年代に入って、イスラエル出身の考古・言語学者ゼカリア・シッチンがアヌンナキ(天より地に降りし者)神族説でさらに発展させた。中東のほぼ全言語に精通するシッチンは、紀元前4000年前後に誕生した最古のシュメール文明まで遡るメソポタミアの粘土板楔型文字をはじめ、古代世界の神話伝説に関する大量の文献を、天文学から人類学にまで及ぶ最新の科学知識と照合分析し、その解読結果に基づいて「太古の地球に飛来したアヌンナキ神族が、類人猿を改変して人類を創造し、文明を開花させたという壮大で体系的な“地球年代記”理論を構築した。

 西洋の王侯貴族と中世の騎士伝説に精通する歴史家で系譜学者のガードナーとデヴィアも、シッチン学派に数えるべき研究家で、その高貴遺伝子プール説も“アヌンナキ神族”が起点となった王統に属する血族がひそかに地球を支配してきたと主張するものだ。
 シッチン学派の研究家たちは異口同音に聖書宗教(ユダヤ教キリスト教イスラム教)のどの聖典でも唯一神として崇められている神が、その原型である古代エジプトやシュメールの神話体系にまで遡るばかりか、実は対立する兄弟神を一人の神に合成したものであることは明白だと指摘する。
 たとえば“ノアの大洪水”の話では、信心深いノアの一家に箱船を作らせて助ける神(英語でロード―主、ヘブライ語アドン)も、大洪水をもたらして堕落した人類を罰する神(英語でエホバヘブライ語ヤハウェ)も、同じ一人の神と見なされている。
 同様に、背徳と退廃の街ソドムとゴモラを神が地上から消し去る話でも、街を破壊する神とそれを事前に教えて善良なロト夫婦を逃がしてやる神は、同じ神のように記述されている。
 だが、ガードナー/デヴィアによれば、西暦1世紀末にユダヤ教キリスト教の幹部たちが、旧約・新約両聖書に含めるべき文書を正典、除外すべき文書を外典・偽典と区別して現在の形に決定するまでは、どの文書でもロード/アドン神は豊穣と叡知の神、エホバヤハウェ神は激怒と復讐の神と、はっきり異なる神として扱われていた。
 とりわけそれが明確なのは、エノク書、ヨベル書、エホバの戦いの書などのいわゆる外典、または偽典の類で、「神は唯一の存在」と教える正典との矛盾がはなはだしいという。 それらの文書が正典から外された真の理由も、キリスト教会にとって、一神教としての布教戦略上、唯一神複数ではいかにも具合が悪かったからだと、彼らは指摘している。

対立する兄弟神エンキとエンリル

 この対立する2大神という構図は、「旧約聖書」中の多くの物語の原型が登場する紀元前3700年頃の粘土板文書に記されたシュメール神話では、さらにはっきりする。
 ここでは、アヌンナキ神族の二人のリーダー、長子だが年下のエンキと次子だが年上のエンリルという複雑な異母兄弟神が対立する。エンキとは、“アーキタイプ”(祖型、原型)という意味で、これは旧約冒頭の「創世記」で、「神言い給えるは、我らに形どりて、我らの像のごとくに、我ら人を造り」とある有名な個所にも通じる。
 エンキはアヌンナキ神族の優れた資質を分け与えて(つまり類人猿のゲノムを自分たちの遺伝子で改造して)、人類の祖先アダバまたはアダマを創造したとされるからだ。
 むろんこれは聖書のアダムの語源だが、本来の意味は「地の子ら」で、男女を含めた人類全体を指す。シュメール神話では男はアタバ、女はアヴァで、合わせてアダマとしていた。
 さらに、エンキは弟のエンリルが激怒するのもかまわず、アダバの子孫であるシュメール人が“知識の樹”と“生命の樹”に自由に近づくことを許す。これは無知蒙昧な状態だった人類に文化を授けるという意味だろう。これに対してエンリルは、人類の教化・啓蒙に終始反対し、ついには二つの街ウルとバビロンを破壊する。

 そしてガードナー/デヴィアの主張では、古代文明の諸王国を統治した王統の血族は、エンキ神によって特別に“選ばれた一握りの者たち”で、人類のリーダーにふさわしいようにと、アヌンナキ神族の中でも最高の資質を誇る至高神アヌ(エンキとエンリルの父親)一族の遺伝子を授けられたおかげで、統治能力を発揮することができた―王権神授説の真の意味はそこにあるというのだ。
 旧約・「創世記」では、人類の祖アダムからノアまでの系譜が、名前を挙げて延々と記されている。妻エヴァ(イヴ)との間に生まれた長男のカインは、次男のアベルを妬んで殺したため、永遠に呪われた者としてエデンから追放され、アダムの正統的な血は、次に生まれた第3子のセツからノアまで受け継がれていく。弟殺しのカインは、原罪を背負いながらも主の恩寵の下に生き続け、その末裔はメソポタミアとエジプトの王たちとなったことが「創世記」中でさり気なく記されている。

 だが、ガードナー/デヴィアは、ロード(エンキ)とエホバ(エンリル)は別々の神という観点に立って、「カインは実はアダムの実子ではなく、エンキ神の子だった」と主張する。「創世記」自体にさえ、エヴァがアダムに「私は主によってカインを授かりました」と告げる場面がある。ユダヤ教文書のタルムード(律法書)やミドラシュ(注釈書)など旧約関連の古文献では、もっと明快に「カインの父親は主なり」と記されているという。結論としてガードナー/デヴィアは、エンキ神の高貴な遺伝子の流れが、中東の古代諸王朝以降、紀元前10世紀のイスラエル王ダビデとソロモン、紀元前5世紀マケドニアアレクサンダー大王などを経て、救世主イエスを生み、5世紀イギリスの英雄アーサー王やヨーロッパ諸王家に分岐しながら、現代にまで至ったとしている―。

 

スターファイア(星の火)の謎 (その二)

神々の生命力の源泉“スターファイア”

 このアヌンナキ由来の、古代の王家の“純血”を保つ問題について、さらにガードナー/デヴィアは極めて奇想天外な推理を展開する。アダムやカイン以後、王権を神授された歴代の王たちも、代を重ねるにつれて、体内に流れるアヌンナキの優秀な遺伝子の血は必然的に薄まるしかない。そこでエンキ神は一計を案じた。妹に当たる“生命の女神”ニンフルサグの神聖な“月経血”から抽出されたエキスを、王権の継承者たちに定期的に摂取させて、アヌンナキの血が薄まらないように計った。
 それは異星人アヌンナキの生命力の最高の源泉であることから、“星の火”―スターファイアと呼ばれ、アヌの神官と称する古代シュメールの化学技術者(後世の錬金術師)たちが、その抽出処理を担当した。彼らはこのエッセンスを“神々の黄金”とか“女神の乳液”とも呼んで、非常に尊んだという。
 これは見かけほど奇異な製薬方法ではない、とガードナー/デヴィアは強調する。現代の医療現場でも、動物の胎盤や尿から抽出されたホルモン物質が、医薬品やサプリメントとして当然のように供給されている。

 生命の女神の“スターファイア”とはどういうものなのか。それを具体的に理解するには、人間の女性の月経血に含まれている松果体や脳下垂体から分泌されるホルモン類の機能を考えればいい、とガードナー/デヴィアは言う。たとえば松果体は、昔から特に謎めいた内分泌腺として知られている。大きさはせいぜいエンドウ豆大。額の真ん中のはるか奥、頭の中央部に位置している。松果体メラトニンセロトニンドーパミン等の神経ホルモンを生成・分泌して、脳の活動を調整する働きがあること、また、光の量の測定機能があり、体内時計の調節にも関わっていることなどが、近年の研究で分かってきた。
 とりわけメラトニンは、睡眠など生体リズムや成長メカニズムの調節、老化の防止、長寿、免疫力向上などの役割を担っている。語源であるギリシャ語のメロス(黒)とトソスが示すように、“夜働くもの”の意味がある。
 メラトニンが生成されるのも夜間か暗闇の中にいる時だけなので、“暗闇のホルモン”という異名さえある。

 古代ギリシアの哲学者たちは松果体を、思念の流れを調整する器官と信じ、17世紀フランスの哲学者デカルトも同じように考えて、松果体こそ精神と肉体を繋ぐ“魂の座”だとした。現代のオカルティストたちは、この松果体の機能と精神活動の活発化を結びつけ、厳しい修行や鍛練によって超常能力を発揮できるステージに達すると、「第三の眼が開いた」と称し、ヨガの行の場合なら、「(額の)アジナー・チャクラが開いた」ことに相当するだろう。
 人間レベルでこれなのだから、実際のアヌンナキ神族のスターファイア“神々の黄金”の効能にはそれ以上に計り知れないものがあったらしい。元々アヌンナキの血の濃い高貴の王統を継ぐ王たちが、さらにスターファイアを与えられて、“第三の眼”的能力、超人的な知力・体力、そして異常なほどの長寿を享受できたことは想像にかたくない。

 たとえば「創世記」に記されたアダムの直系子孫の寿命が、900歳台から150歳前後までと、代を重ねるにつれて縮まるにせよ、きわめて長命なのも神秘的誇張ではない、とガードナー/デヴィアは言う。その根拠として彼らは、スターファイアとして王たちが摂取したエッセンスには、不老長寿を促進する酵素として近年発見されて話題になっているテロメラーゼ、あるいはそれを体内で活性化する物質が含まれていたのでは、と推測する。
 このごく微量だが生命の維持にきわめて重要な酵素は、ちょうど靴ヒモの先に被せた金具みたいに、染色体の両端についているテロメアという塩基配列構造の部分が、細胞分裂の度に使われて短くなるのを、新たな塩基配列を追加して修復する働きをするので、テロメラーゼと呼ばれている。だが、あいにく人体では生殖細胞精子卵子)とガン細胞にしか存在していないため、ほかの体細胞のテロメアは一定の年齢に達すると擦り切れてしまい、その時点から老化が始まる。ただ、ガン細胞では活性化してその増殖を助けるからには、染色体のDNA構造の大部分を占める解読不能の“ジャンク遺伝子”のどこかに、テロメラーゼの生成遺伝子がオフ状態で眠っているはずとも考えられるだろう。

神人になるための物質“ホワイトパウダーゴールド”

 ゼカリア・シッチンの「地球年代記」理論によれば、アヌンナキ神族が地球から故郷の惑星に引き上げたのは、粘土板文字文書上の記録によれば、シュメール文明が崩壊した紀元前2000年前後のことだという。アヌンナキ神族の撤退は、同時にスターファイアの王たちへの直接提供がストップしてしまうことも意味する。王たちがこれからも高貴の王統を守り続けるためには、なんとしてもスターファイアに代わる代替薬剤が必要になった。実際のところ、これはさほど問題ではなかったようだ。エンキ神が“工芸名人”と名づけたスターファイア代替薬の開発を専門とする化学技術者グループが既に存在していたからだ。後世、錬金術師と呼ばれる職業集団である。
 旧約・「創世記」に登場するカインの末裔で鍛冶屋の祖とされるメソポタミアのトバルカインが、最初の一人という。また、紀元前15世紀のファラオ、トトメス3世がエジプトのカルナックで再建したという知恵・学問・魔法の神トートを崇める“工芸名人教団”も、そんな専門家集団だったらしい。

 ガードナー/デヴィアは、そのような工芸名人たちがスターファイア代替薬を開発した根拠として、聖書宗教の聖典や中東各地の神話や伝説中に、まちまちな名前で呼ばれているが、謎めいた不思議な物質がしばしば登場していると指摘する。
 そう言われて、多分誰もが真先に思い浮かぶのは、旧約・「出エジプト記」で、モーゼの一行がシナイ砂漠をさまよった時、神が降らせて彼らを飢えから救ったという奇跡の“マナ”だろう。マナは白くて、蜜入りのウェハースのように甘い味がしたが、なぜか食欲を抑制する効果があったという。
 驚くことにポリネシア神話や北欧神話でも、マナは超人的生命力、霊力、魔力などの意味がある。どうやらこの話は人類にとって普遍的なアーキタイプ(心理学的元型)の一つのようだ。だが、ガードナー/デヴィアの解釈は大分異なる。たしかに体内に摂取できる物質だが、マナは有機物ではなく無機物で、これから述べるように“石”と呼ぶ方がふさわしい特殊な金属物質だというのだ。

 同じ「出エジプト記」には“黄金のパン”という変な代物も登場する。工芸名人ベツアルエルが神の命令でこしらえた様々な金銀細工物の中にある“契約のパン”だ。
 聖書には神に捧げる“供えのパン”があちこちに出てくる。ガードナー/デヴィアによれば、“供えのパン”の原型は、“白い金の粉末”で作った“黄金のパン”だったというのだ。後で述べるように、この“白い金の粉末”―ホワイトパウダーゴールドは、普通の金や白金とも異なる、驚くべき特殊な物質なのである。古代エジプトでは、この不思議なパンは“シェッファ”と呼ばれ、白い円錐形のケーキとして、王朝時代のパピルス画や、壁面レリーフに登場している。

 ガードナー/デヴィアによれば、この白い金の粉末で作ったパンは肉体ではなく“光の体”―ライト・ボディ(霊体、精神体)用の食べ物で、このパンを摂取すると、ファラオたちの松果体と脳下垂体の働きが強化され、“第三の眼”が開かれて感覚、直感力、認識力の著しい高進状態に到達できたという。古代エジプトでは、この状態を「“光の軌道”に入る」と表現した。古代エジプト人にとって、“光の軌道”(光の次元)とは、ファラオが神として復活するオリオンやシリウスといった星の世界のことでもあった。
 そうしてファラオたちは、永遠に存在し続ける光体「KA」を活性化させる修練を積んだ後に、ピラミッド内の「王の間」で、肉体ごと消えて―文字通り星の世界へ昇天していったという。

 時代は前後するが、シュメール時代のメソポタミアでも、シェマンナ(シェム・アン・ナ)という物体が、シェッファと同様にホワイトパウダーゴールドで作られていた。
 シェムは「円錐」で、マナ(マンナ)に近い発音のアンーナは、“火の石”を意味する。シェムは“上に向かう”(高進する)の意味にもなり、合わせて「高進する火の石」は、ホワイトパウダーゴールドの性質をよく表している。ここで“高進する”とは、物理的にはエネルギーが増大し、精神的には霊性のレベルが上がる、といった意味だという。

錬金術の「賢者の石」は粉末だった

錬金術」は、英語でアルケミーだが、その語源はアラビア語の定冠詞アルが、ギリシア語のクメイア(金属を変成する、の意)の組み合わされたという説がある。
 いずれにしろ、錬金術を含めた古代エジプトの文化と科学が、まず古代ギリシアに受け継がれ、次いでローマ帝国公認後のキリスト教会から邪教の産物として弾圧された中世前半の暗黒時代(5~10世紀)、中東アラブ人たちのイスラム文化圏に引き継がれて守られたという歴史的経緯がある。既に述べたように、錬金術テクノロジーの真の起源は、人類最古とされるシュメール文明まで遡る。また、中国やインドの古代文明でも最古の時代から存在し、アラビア錬金術にも影響を及ぼしていることが、近年明らかにされつつある。
 どうやらこの問題は、ガードナー/デヴィアの主張を待つまでもなく、人類とその文明の発祥全体に深く関わっているらしいのだ。

 中世ヨーロッパの古典錬金術には、3つの主要目的があったという。―卑金属の貴金属への変成、万病を治癒させ不老長寿にする万能薬、そして人間生命の創造だ。その目的成就の鍵となる“賢者の石”は、まずアラビア語で“アリクシル(粉薬)”と呼ばれた。
 ここから中世ラテン語の“ラピス・エリキシル(粉の石)という呼び方が生まれ、さらにそれがヨーロッパ各国語で“賢者の石”とも呼ばれるようになり、以後は西洋錬金術の代名詞となった。

 誰もが知るように、近代合理主義の時代の到来と共に、錬金術の時代は終わりを迎える。鉄や鉛を金や銀に変えるなどということは、手品やトリックでなければ不可能だと分かって、錬金術の科学性が否定されるようになったからだ。現代の科学界は、錬金術といえば、化学の基礎となったことは認めているものの、近世以前の単なる似非科学と見なしており、メディアや一般でも、その用語は不正をして利益を得る手法とか、いかがわしいイメージをもって使われているのは周知の通り。
 だが、錬金術で言う“金”とは、これまで見てきたように、おなじみの普通の金ではなく、スターファイア代替薬としての特殊な物質だった、とガードナー/デヴィアは指摘する。

 ギリシア人哲学者たちが古代エジプトから学んだギリシア錬金術では、中世の“賢者の石”に当たるものが“楽園の石”と呼ばれていた。紀元前3世紀頃、エジプトは首都アレクサンドリアを中心に発展し、ギリシア錬金術の活動の拠点もここにあった。
 そこで書かれた『アレクサンドロス大王の楽園の旅』と題する文書に、次の記述がある。「“楽園の石”は、秤の上に置くと同量の金より重くもなれるが、加熱して粉末に変えると、羽根一枚にもかなわぬほど軽くなる」

 この世界に存在する通常の物質は、蒸発や昇華によって拡散消滅しない限り、重さがこれほど極端に変化することはありえない。金と比べているのだから、ただの金ではないことは確かだ。
 又、17世紀の大錬金術師アイレニウス・フィラレテスは、同時代のニュートン(自身も錬金術師だった)さえ尊敬される著名な哲学者だが、1667年に執筆した『暴露された秘密』の中で“賢者の石”の性質を論じている。
「この“石”の成分は金である。これ以上はない最高の純度と微妙な固さにまで精錬された黄金以外の何物でもない。固化する性質があるので“石”と呼ばれる。種類としては金だが、通常の純金よりはるかに純粋で、固化状態では火に強く、普通の石同様に燃えないが、外観はきわめて細かな粉状になる」
 卑金属を金に変えるもの、金でありながら金を超えるもの、さらに精錬によって白い粉へと変わるもの―賢者の石。マナ、シェマンナ、シェッファ、“神々の黄金”スターファイア、ホワイトパウダーゴールド――。いったいこの不思議な物質の正体は何なのか―。

 

スターファイア(星の火)の謎(その三)

謎の石、ムフクズティ

 謎めいた物質といえば、古代エジプトの碑文や文書には、シェッファとは別にもう一つ、“ムフクズティ”という正体不明の物質がしばしば出てきて、長い間、エジプト学者たちを悩ませてきた。何人ものヒエログリフ専門家たちが解明に挑戦して、どうやら何らかの“石”らしいということまではつきとめた。それもただの金属や鉱物ではなく、宝石以上に重要で貴重な石のようだが、記述から見る限り、なぜか石にしては妙に不安定な物質とも見なされているように見えた。こうして19世紀以来、最初の疑問から100 年以上経った1955年、長年論争してきたエジプト学者たちがようやく出せた結論は、「ムフクズティは貴重な鉱産物だ」というものだったのである。

 ムフクズティとは、ずばりシェッファ、シェマンナ―ホワイトパウダーゴールドを製造するための石―貴重な鉱産物だったのだ。これはつまり、その物質は宇宙由来の物ではなく、この地球上に存在する特殊な物質であるということだ。
 それは実は古代エジプトの近縁の地だけに存在していたものではなかった。20世紀の後半になって、アメリカの片田舎で、それも錬金術とは縁もゆかりもないある農場主の全くひょんな発見から始まって、一つの怪物質が世界のトップ科学研究所、政府科学者などの熱い注目を集めることになる。

究極物質エキゾチックマター

 1970年代半ば、アメリカ・アリゾナ州フェニックス郊外の農場主デビッド・ハドソンは、所有する広大な土地の地味が悪いのを改良するために、2年がかりの土壌改良計画に着手した。ところが、ナトリウム成分過多で水分が浸透しない土壌に、濃硫酸を何トンも大量にぶち込むなどして手を打ち、変質し始めた土壌のサンプルをあちこちから採取してテストするうちに、説明のつかない特異な性質を示す謎の物質に出くわしたのだ。
 抽出されたその成分はビーズ状物質で、太陽光線にさらしてセ氏100度以上に加熱乾燥させたとたん、ものすごい白光を放って無音の爆発を起こし、完全に消滅した。
 とても不思議な爆発で、試しに側に鉛筆を立ててもう一度やってみたところ、鉛筆は倒れもせずに片側だけ焼け焦げていた。るつぼで溶かして比重を比べると、金か銀くらいだが、特有の延展性がなく、ハンマーで叩くとガラスみたいに砕けてしまった。

 驚いたハドソンは、この怪物質をニューヨーク州コーネル大学の化学教授、ドイツの分光分析研究所の専門家、さらにイギリスのハーウェル原子力公社技術研究所へ送って調べてもらったが、どこの分析機も歯が立たず、とんちんかんな結果を出しただけだった。
 ようやくロシア科学アカデミーの協力が実現して、世界最高性能を誇る分光分析機で調べた結果、問題の白いビーズ状物質は、驚いたことに加熱時間の長さに応じて金属の種類がどんどん変わっていくという、これまで科学上知られていなかった不可思議な反応を示すことが確認された。加熱時間が長くなり、融点がどんどん上がるにつれて、金のほかにパラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、イリジウムオスミウムと、白金族の貴金属が次々に探知されたのだ。
 さらに、加熱と冷却を規則正しく続けると、サンプルの重量がそれにつれて変動した。
 いつも特定の温度に達したとたん、白いビーズ状物質は光り出して、量子力学でいうハイスピンで単原子のパウダー(粉末)状態に分解したことが分かった。“ハイスピン”とは、粒子が静止していても内在する特殊な角運動量の増大状態をいう。“単原子”とは、そのハイスピンのために、原子間の結合が破れて、原子がばらばらな単独状態をいう。
 常温では不活性の希ガス(ネオン、アルゴンなど)に見られる。

 金がこのハイスピン単原子状態になって普通の金に戻れなくなると、電子が純白光を発するため白く見える極微細なホワイトパウダー状態になるものと推測された。そして何度やってもテスト開始時のサンプルの重さが、ホワイトパウダーゴールド化すると、常に劇的に56%まで低下した。あとの44%の重さはどこへ消えたのか? だが、さらに加熱を続けると、ちょうどセ氏160度で、この物質は透明なガラス状になり、同時に重さも最初の100%に戻った。そんなことはありえないはずだが、何度繰り返しても同じ現象が起きた。ある冷却プロセスの時には、最初の重さが400%(4倍)に増えたが、再加熱すると今度は重さが無くなって、はるかゼロ以下になった。ハドソンの証言では、この時、サンプルは視界から完全に消えたという。
 その後サンプルを計量皿から取り除いた時、実験者たちは本来の空っぽの皿の方が、ホワイトパウダーゴールドが載っていた時より重いことに気づいた。これはホワイトパウダーゴールドに、その無重力・反重力を皿に転嫁する能力があるからだと思われた。つまり、計量皿まで一緒に“空中浮揚”したわけだ。

 物体の空中浮揚は、現代科学では超伝導状態で発生することが知られている。超伝導超電導)は電気抵抗がゼロになり、磁場を閉め出し、はねつける完全反磁性の状態をいう。確かにホワイトパウダーゴールドも、冷却中でも加熱中でも超伝導体になっていることが分かった。だが、超伝導現象は目下のところ、人為的に冷却した極低温下でしか起こらないとされている。ホワイトパウダーゴールドが加熱と冷却によって超伝導体になったとすれば、これは新タイプの天然型超伝導現象ということになる。

ゼロポイント・エネルギー理論による解明

 ここまで事態が進展した段階で、ハドソンはテキサスの高等科学研究所所長、ハロルド・パソフ博士を紹介された。博士はスタンフォード研究所時代にリモート・ビューイング(遠隔透視)に理解を示した高名な物理学者で、近年はゼロポイント・エネルギー理論の第一人者として知られている。ゼロポイント・エネルギーとは、量子力学が正しい限り、真空に無限に存在する仮想エネルギーをいう。(=フリーエネルギー)
 パソフ博士は重力をゼロポイント・エネルギー波動の力と見なし、物質がこの三次元世界と別次元の両方にまたがって反応し始めると、理論上その引力重量(重さ)が9分の4を失うはずと予測していた。これは約44%で、実験中にホワイトパウダーゴールドの主さが、56%にまで減少した事実とぴたりと合致する。
 またパソフ博士は、加熱されたホワイトパウダーゴールドの重さがゼロ以下(反重力状態)になった時の計量皿より空っぽの計量皿が重かったのは、重力が時空の性質を決定するからで、この時点のホワイトパウダーゴールドは時空を曲げる“エキゾチックマター”(異状物質)だった可能性が高いとした。

 エキゾチックマターとは、ブラックマター(暗黒物質)と共に現代物理学で論争を呼んでいる仮想物質だ。重力とは逆の働きをする斥力(反重力)を持つ虚質量物質とされるが、ホワイトパウダーゴールドの重さがゼロ以下―マイナスになったのは、ゼロを境に重力ではなく斥力の作用を受けるようになったからだという。
 ただし、そのような物質はその時点では別の次元と共振しているので、こちらの次元では完全に見えなくなるはず、と博士は推測した。これもハドソンは、「確かに私のサンプルは、重さが無くなると視界から消滅した」と確認した。
 これは文字通り、並行存在する別宇宙―SFで言うパラレルワールド、時空の第五次元(この世界を三次元プラス時間次元として)に転移したことを意味している。とすれば、ファラオが死後に復活するとされた“光の軌道”とか、“ムフクズティの地”というのは、その第五の異次元時空を指しているのかもしれない。

 ガードナー/デヴィアの追加報告によると、ハドソンに発見されたこの不思議な物質が確かに単原子状態であることは、後にデンマークコペンハーゲン大学ニールス・ボーア研究所、アメリカ・シカゴのエネルギー省アーゴン国立研究所、テネシーの同省オークリッジ国立研究所の3カ所でも確認された。金だけでなく、次々に変成するどの白金族の金属も単原子状態だったという。
 このハイスピン単原子パウダー、つまりホワイトパウダーゴールドこそが、太古の王たちを超人たらしめたスターファイアの代替薬―高進する火の石、シェマンナ、マナ、シェッファ、ムフクズティの正体であり、また真のラピス・エリキシル、賢者の石であり、現代のエキゾチックマターである。とすれば、これまで文明の謎とされ、人類の夢とされてきた様々な分野にまたがるスーパーテクノロジーが、いっぺんに達成可能な未来の現実に近づくことになるかもしれない。

 たとえば古代文明最大の謎、巨大ピラミッドの建設は、ホワイトパウダーゴールドの無重力・反重力作用を巨石の運搬と積み上げ作業に応用すれば、難なく達成できることになる。また、シュメールやエジプトの王たちがその“光の体”に必要としたスターファイア代替薬のように、ガンやエイズの特効薬、回春剤、老化防止薬などを含め、心身を改善する万能薬としての可能性も期待されるだろう。
 現実に「サイエンティフィック・アメリカン」誌1995年5月号に、白金族のルテニウムの単原子を短い鎖状のヒトDNAの両端にくっつけたところ、伝導性が1万倍も増加して、事実上の超伝導体になったと報告された。これは傷ついたDNAの修復の道を開く発見という。専門誌「プラチナ・メタル・レビュー」も最近、白金・イリジウムルテニウムのガン治療効果に関する論文を頻繁に掲載し、ブリストル・マイヤーズ・スキップ社という製薬メーカーも、「ルテニウム原子のDNA修復能力の抗ガン作用を研究する」と発表した。ハドソン自身も、獣医も見放したダニ熱、コクシ病、悪性腫瘍に苦しむゴールデン・リトリーバーに、ホワイトパウダーゴールドの溶液を1ccずつ注射し、3週間で完治させたと報告している。

 一つだけ最後に指摘したいのは、“時空を曲げるエキゾチックマター”としてのホワイトパウダーゴールドの可能性である。物理学専門誌「クラシカル&クォンタム・グラビティ」1994年5月号で、メキシコの物理学者ミゲル・アルクビエルがこう述べている。「今やこれは周知の事実となった。宇宙船が途方もない超スピードで飛行できるように、時空の形を変えることが可能になったのだ。それには宇宙船の後方の空間を局所的に拡大し、前方の空間を局所的に収縮させればよい―これはSFでおなじみのワープ推進を想起させる超光速飛行法である」
 続いて「アメリカ・サイエンティスト」誌1994年10月号で、マイケル・スズビアという物理学者が、いかなる物体も光速度は超えられないとするアインシュタイン相対性理論に、この“アルクビエル式ワープ推進”のアイデアがいかに違反しないかを証明してみせた。見かけの速度はとてつもなく大きいが、実際の加速度はゼロに等しいのだ。
 必要なのは収縮と拡大を繰り返して、見かけ上前方のひと塊の空間を後方に移転させることだけなのだ。それを可能にするのに必要な仕組みとは何なのか? アルクビエルはこう説明した―「時空に歪みを発生させるには、どうしてもエキゾチックマターが必要だ」

 アメリカのNASAは現在、恒星間飛行を実現するための革命的推進手段の開発を目的に、“ブレイクスルー推進物理学プロジェクト”を強力に押し進めている。この計画を1996年に立ち上げた動機の一つは、ハドソンのホワイトパウダーゴールドというエキゾチック・マター発見にあると、私は推測している―。