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バトシーラー日記

あまり知られていない様々な真実の知識をお届けします


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世界の誰1人として置き去りにしない、新しい時代の始まり【フィラエ神殿予言的中】


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ASTON HILL
アメリカ人は 緻密で実行力がある。 それに比べると日本人は 口先だけで幼稚で単純な発想しか持てない。日本人はアメリカ人の奴隷であることの必然性が 実に良く理解できるね。

謎のミステリーオタク
奴隷か…。言葉の響きが嫌だけど、アメリカに敵わないのは確か。

 

国連総会特集(1)「国連新開発目標は世界に何をもたらすのか」

2030年までの世界の持続可能な発展を目指す国連の新たな開発目標「SDGs」が、25日に世界の首脳が参加する国連サミットで採択される。新しい目標はどのようなもので、世界に何をもたらそうとしているのか。サミットには世界150カ国もの首脳が参加するとともに、「SDGs」に期待を寄せる世界のNGOや市民団体の関係者も国連の周辺で「歴史的な瞬間」を迎える。これまでの開発目標の成果と残された課題をアフリカ、ケニアの実態から取材したVTRなどで紹介しながら、新たな目標が生まれるに至った事情と、その採択を迎える市民の思いを、国連からの中継で伝える。


「採択されました。」

25日の国連本部。
全会一致で採択されたのは、2030年までの世界の持続的な発展を目指す新しい開発目標、「SDGs」です。
貧困や格差の解消。
女性の社会進出の促進。
地球温暖化対策など、世界が抱えるさまざまな問題の解決に向けて設定された目標です。

 

国連 パン・ギムン(潘基文)事務総長
「人類史上、決定的な瞬間だ。」

創設から70年。
国連が打ち出した、新たな開発目標は世界をどう導くのでしょうか。

 


有馬
「貧困や格差、環境問題などを解決しようと、『国連サミット』で新しい目標が定められました。
2030年までに達成を目指す、新しい開発目標です。」

藤田
国連は、今から15年前の2000年に、『ミレニアム開発目標』を掲げました。
発展途上国を対象にした目標で、今年(2015年)いっぱいが期限となっています。
15年間で一定の成果を上げたものの、目まぐるしく変化する国際情勢に対応しきれないという新たな課題にも直面しています。」
ミレニアム開発目標 成果と新たな課題

ケニア北部にある、トゥルカナ地方。
干ばつが繰り返され、ケニアでも最も開発が遅れてきた地域の1つです。
ミレニアム開発目標では、すべての子どもたちが初等教育を受けられるようにするという壮大な目標も掲げられていました。

 

 


その一環で2年前、地域の一角に国連によって学校が建設されました。
それまでは、野外で授業をしていましたが、今ではこの校舎で子どもたちが机を並べて勉強ができるようになりました。
ミレニアム開発目標の設定から15年。
ケニア全体では、90%を超える子どもたちが小学校に通えるようになり、目標の成果がこの地域にも届き始めています。

 

 

ユニセフ ケニア事務所代表 マダヴィ・アショクさん
「ここ15年でケニアは大きく前進し、東アフリカの手本になりました。
ミレニアム開発について、ケニアは今後も重要な役割を果たすでしょう。」

 

 

 

一方で、ミレニアム開発目標を定めた当時は想定していなかった新たな課題にも直面しています。
ケニアの隣国、ソマリアを拠点とするイスラム過激派組織、アッシャバーブです。
経済発展から取り残され、貧困に苦しむ若者たちが社会的な不満を募らせ、アッシャバーブに勧誘され、利用される事態が相次いでいるのです。
過激派に流れる若者を食い止められないか、国連も地元で活動を始めています。

 

 

ケニア沿岸部の都市、マリンディ。
国連の支援を受けて、若者たちが過激派に参加しないよう、住民全員が定期的に集会を開くようになりました。
村の長老が若者達に対して、イスラム過激派に関わることで、村全体がいかに危険にさらされるか、繰り返し話をします。

 

 


「爆弾でケニア人が死んでいる。
誰かが“アッシャバーブが一番”と言うけれど、それはウソ。
それは地獄からのメッセージ!」

 

 


国連としても、貧困や格差の解消に向けた取り組みをさらに強化することにしています。


UNDP 現地担当者 ピレイ・マティさん
「生活の糧を得られるよう支援することが、とても重要です。
若者たちの関心が(過激派組織に)向かないよう、家族を養なうことに集中してもらうのです。」

 

 

 


ミレニアム開発目標 成果と新たな課題

有馬
「こちらが、国連が打ち出した新たな開発目標の主な内容です。
格差の是正、強じんなインフラ整備、ジェンダーの平等など、世界の持続可能な発展を目指すものです。
このため、新たな目標は発展途上国だけではなく、先進国も対象になります。」

 

 


藤田
「その結果、8つの分野だったミレニアム開発目標に対し、新しい開発目標は17の分野と広範囲に及びます。
また、ミレニアム開発目標では、例えば『極度の貧困に苦しむ人を“半減”する』などと数値目標が盛り込まれていたのに対し、新しい開発目標では、より広く『貧困を根絶する』といった表現に変わっています。
目標の範囲を広げながら具体的な数値目標を掲げなかったことには、懸念の声も上がっています。」

 

 

新開発目標 採択 広がる“懸念”

新しい開発目標への期待と不安を抱きながら、国連に足を運んだ若者がいます。
バングラデシュからやってきたモニ・ベグムさん、16歳。
少女のうちに結婚の対象にされることを防ぐ活動を続けています。
採択の前日、国連総会の議長のもとを訪ね、こう訴えました。

 

 

モニ・ベグムさん
「(こうした結婚は)女性の権利を奪っています。
私は、なんとか廃止させたいのです。」

 

 


女性のおよそ30%が15歳になる前に結婚し、65%が18歳までに結婚するというバングラデシュ。
多くの女性が教育を受ける機会さえ確保できておらず、新しい開発目標で解決に道が開けるかは明らかではありません。


モニさんの姉も16歳の時、見ず知らずの男性と結婚させられた末、虐待を受けて心に大きな傷を負いました。

モニ・ベグムさん
「姉のことを考えるだけで心が痛みます。
それだけつらい思いをしたのです。」

新しい開発目標の採択を見守ったモニさん。
17分野169項目にも及ぶ目標が、かけ声だけに終わらないかという不安を抱えています。

 

モニ・ベグムさん
「(新しい目標は)幅が広すぎて焦点が絞りにくいです。
採択は、始まりでしかありません。
目標達成まで遠い道のりが待っています。」

 

 

女性の権利の向上などを訴え世界各地で活動するNGOも、目標の採択に合わせて会合を開き、懸念の声を上げました。


ブラジル NGO代表
「(目標達成の)指標をみんなで作らねばなりません。」

南アフリカ NGO代表
「問題は、目標達成に向けてどう取り組んでいくかです。」

多様な目標を世界で共有しようという、国連の新たな開発目標。
実効性のあるものにできるのか、覚悟が問われています。

 

 

数値目標・強制力なし 実現可能?
藤田
「ニューヨークの国連本部には、鴨志田記者がいます。」

有馬
「この新たな目標には、数値目標も強制力もありません。
そもそも野心的な目標ですけれども、実現は可能なんでしょうか?」


鴨志田記者
「今、ご指摘されたように、この目標には条約のような法的拘束力もなく、どこまで実現できるのか疑問視する声は絶えないんです。
そもそも、この目標に向けてどのような措置をとるのか、達成状況をどのようにはかるのかも各国にゆだねられています。
しかし国連としては、各国が大きな目標のもとに集結し、世界が直面するさまざまな問題を前に危機感を共有することが重要だと訴えてきたんです。
そして、各国は競い合うのではなく、互いの取り組みや成果を分かち合い、最終的にすべての国が目標の達成を目指すことに意義があるとしているんです。
採択の後に行われた首脳演説でも、例えばドイツのメルケル首相が地球温暖化対策に、また、イランのロウハニ大統領がイスラム過激派対策に触れるなど、それぞれが最も切実に感じている課題に率先して取り組む姿勢を示していました。」

 

「置き去りにしない」 理念 浸透するか?
有馬
「国際社会が抱えている、その切実な課題、テロにしても難民にしても山積なんですけれども、今度の目標、解決するうえでの指針になるんでしょうか?」

鴨志田記者
「この新たな目標は、『世界の誰1人として置き去りにしない』ことを掲げています。
例えば、経済成長の影で取り残された若者たちを救済していくことは、単に不平等を解消するだけではなく、過激思想やテロを生み出すような社会の『危険要因』を取り除くことにもつながります。
また、この目標にはすべての人々の尊厳を守ることもうたわれています。
国際社会は、今、中東などから逃れている難民を協力して救済しているかどうかも問われることになります。
この目標は人類の未来を見据えた壮大なもので、理念が先行した感の否めないのは事実です。
しかし、それを実現するのは、各国政府や個人がその精神にどこまで共鳴し、行動を起こすのかにかかっていまして、その意味では私たち1人1人に突きつけられた課題であるともいえます。」


2015年09月23日 (水) 

国連開発計画(UNDP)駐日代表 近藤哲生
 
国連は、第二次世界大戦の終結と共に「国際の平和と安全を維持すること」を一つの目的として設立され、今年70周年を迎えました。第二次世界大戦で敗戦国となった日本は主権回復後、1956年に国連へ加盟、国際社会への復帰を果たしました。今年も今月半ばからニューヨークで国連総会が開かれています。
会期中には、世界の首脳たちによって、貧困や気候変動など地球規模の課題解決に向けた『持続可能な開発目標』、SDGsが採択される予定です。
本日は、国連創設70周年が世界と日本にとって持つ意味と、持続可能な開発目標、SDGsについてお話しさせて頂きます。

まず、国連の歩みを振り返ってみます。国連は1945年、第二次世界大戦で勝利をおさめた連合国側が中心となり、大戦で戦った国が、再び平和を脅かすことがないようにする連合組織として発足しました。その後、国際社会の構図は大きく変化し、1960年以降、アフリカ諸国をはじめ、新興独立国が数多く加盟するようになると、国連は途上国の近代化や開発のために貢献するという役割に比重が移りました。私が所属する国連開発計画、UNDPは、その国づくりを支援するため、1966年に国連総会で設立された機関です。
世界129か国に拠点を置き、170か国以上で活動するUNDPは、教育の普及やHIV対策など草の根レベルの活動から、民主的ガバナンスの推進、司法制度の構築、政府職員の能力強化など、国の基盤づくりにも関わってきました。
それは国連加盟国からの資金や技術協力によってなしえたことでもあります。
日本もその重要な役割を担っています。戦後賠償の一環として1954年に始まった日本の政府開発援助、ODAは日本の経済発展と共に援助の量、幅を拡大。1991年から2000年までの10年間、日本のODA額は世界第1位でもありました。
ODAを通じ て、世界で貧困、教育、保健をはじめ、様々な課題の解決に向けて貢献することは国際社会の一員として重要な責任です。
2国間協力や国連NGOなどを通じて、社会インフラの提供、人材育成や技術移転などを実施し、これまで190の国・地域の発展に貢献しています。
平和で安定した国際環境は、自国の平和や安定を維持する上でも必要不可欠です。他国との関係を強化し、信頼を得ることは、国の安全や繁栄にも結びつきます。 また、国が国際社会に対して果たすべき責任が見えてくるようになりました。
その責任の一つとして、今から15年前の2000年、世界の首脳たちが、より安全で豊かな世界づくりへの協力を合意したのが「ミレニアム開発目標」(MDGs)でした。これは、2015年までに貧困を半減し、より豊かで健康に暮らせる世界をつくろうと8つの目標を設定したもので、これまで、この目標に基づいて、国連は開発プロジェクトを政府や市民社会などとも協力して実施してきたのです。その結果、1990年には19億人だった極度の貧困層は約8億人にまで減少しました。乳幼児死亡率も下がり、就学率が向上するなどの目標も達成できました。
世界は「具体的な目標を設定し、一丸となって取り組むことで大きな成果を生む」ということも学びました。しかし、妊産婦死亡率の削減目標が達成困難など、依然として、課題も残りました。
そして、ミレニアム開発目標の成果と課題を踏まえ、国連加盟国、市民社会、世界の有識者は、長年議論を続け、ようやく今年、2016年から15年間の新たな目標、『持続可能な開発目標』、SDGsに合意しました。
 
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『持続可能な開発目標』、SDGsは17の目標と、169の具体的な達成基準で構成されています。この新たな目標は、貧困や飢餓の解消、安全な水や清潔なトイレの確保などミレニアム開発目標からの流れを汲むものに加え、気候変動への対応、海洋資源保全や利用、持続可能なエネルギーの確保など、途上国だけでなく先進国も自国での取り組みを求められるものが多く含まれています。  また、私たちを取り巻く「環境」、生活をはぐくむ「社会」、暮らしの糧となる「経済」、という3つの側面を見ながら開発を進めます。この新たな目標には、インターネットやアンケートを通じて寄せられた、約720万人の一般市民の声が反映されたのも特徴です。
国連創設70周年を迎える今、世界は気候変動による自然災害の増加や生態系の破壊、国境を越える感染症の脅威、格差拡大、貧困に起因する国際テロリズム、そして難民問題といった数多くの新たな課題に直面しています。
互いに絡み合い、解決を複雑化するこうした問題に対して、働きかけるために持続可能な開発目標、SDGsは策定されました。この目標は「地球上の誰をも置き去りにしない」、「Leave no one behind」という理念が軸にあります。
私は国連開発計画、UNDPの駐日代表に着任する前はアフリカのチャドや旧ユーゴスラビアコソボ東ティモールなど、戦争に巻き込まれた国の復興や再建に数多く携わってきました。平和、開発、人権尊重が損なわれた社会では、特に女性や子どもが悲惨な生活を強いられ、恐怖や欠乏の中で人間の尊厳が失われてしまいます。
SDGsの底流にある考え方は、持続可能な開発を進める上で前提となる平和です。どれだけ開発支援に投資しても、社会が不安定化し、紛争や戦争が発生することで、それまで取り組んできた成果は大きく損なわれ、回復にも時間がかかります。地震や台風といった自然災害も開発を後退させます。
このような課題も踏まえて、持続可能な開発目標、SDGsは人類が協力して取り組み、数値に表れる成果をあげることが重要です。
同時に、新たな開発目標では、先進国から途上国へ富や技術を移転するという従来型の援助構造だけではなく、新たな資金源の確保、アプローチの開拓が求められています。途上国での商業活動を通じてその国の経済を成長させ、社会が抱える課題の解決に貢献する民間企業も増えています。
ソーシャルネットワークや新たな技術、アイディアで貧困を解消し、教育の機会を増やすなど社会への貢献を目指す起業家も数多く活躍しています。それによって、経済が活性化し、雇用創出にもつながっています。
国連開発計画、UNDPは毎年、国連総会の時期に合わせて、ニューヨーク、東京を含む世界の各都市で「ソーシャル・グッド・サミット」というイベントを開催して、企業や団体の先進的な取り組みを紹介し、その活動を応援しております。
最後に、強調しておきたいのは『持続可能な開発目標』、SDGs達成に向けて取り組むのは国連や政府だけではなく、地球上で暮らす私たち全員ということです。気候変動への対応、環境保護、平和な社会づくりなど地球規模の課題は、1人ひとりが「自分ごと」として取り組まなくては解決できません。
みなさんも日々の生活、仕事、学業などを通じて、17の「持続可能な開発目標」、SDGs達成のために何ができるかを一緒に考え、取り組んでいきましょう。


国連70年②"誰も置き去りにしない"世界を目指して

世界で激しさを増す過激組織の活動。今も止むことがない民族間などの対立。国連は、「格差」と「貧困」、さらにそれらの根源でもある環境破壊など地球規模の問題を根本から解決しない限り、事態の打開にはならないと訴え続けてきた。そして国連は、設立70年の今年、新たな野心的な目標を掲げる。その名は「SDGs=Sustainable Development Goals(持続可能な発展目標)」。「誰も置き去りにしない(no one will be left behind)」を基本理念に、2030年の世界を見据えた新たな指針だ。17分野169項目という多岐にわたる目標で、途上国だけでなく、先進国も生産・消費のあり方を変える必要があるなど、人々のライフスタイルにまで踏み込んだ大胆な挑戦である。この壮大な目標の背景には何があるのか。そしてそれをどう実現していくのか。番組では、事務総長の命を受けSDGsのとりまとめを行ってきたナイジェリア人女性の特別顧問、アミーナ・モハメッド氏などへのインタビューを通して、その可能性について探る。


“誰も置き去りにしない” 国連の危機感

“誰ひとりとして置き去りにしない”というこれまでにない高い理想が、なぜ掲げられたのか。
国連が最も支援に力を注いできた地域の1つ、アフリカ東部のケニアです。
国連は干ばつに苦しむ遊牧民のために水を引き、農業を一から指導。
収入の糧をもたらしました。


ユニセフが支援している小学校です。
日本の資金を使っています。」

 

 


学校の建設も支援。
小学校へ入学できる子どもの割合を、15年前の68%から100%近くにまで改善しました。

子ども
「お医者さんになりたい。」

 

国連や各国の支援で社会基盤の整備が次々に進み、ケニアはこの15年で激変しました。
海外からの投資も増加。
2000年以降、GDPが2倍に伸びるほどの成長を遂げ、豊かになる人たちが増えました。

 

しかし、一方で顕在化したのが繁栄から取り残された人たちの怒りです。
2年前、首都ナイロビの高級ショッピングモールで悲劇が起きました。
イスラム過激派組織アッシャバーブが買い物客たちを襲撃。
60人以上が命を落としました。

 

アッシャバーブの勧誘の魔の手が向かうのは、格差に不満を持つ若者たちです。
失業率は実に60%。
大学を卒業しても、限られた人しか就職できません。
行き場のない怒りが若者たちに鬱積(うっせき)しています。
かつて、アッシャバーブに所属したことがある若者に取材をすることができました。

「安定した仕事が欲しいのです。
でもそんなものはありません。
とても苦しい状況でした。
子ども2人と年老いた母親の面倒を見ることは、とても出来ません。」

いくらあがいても、はい上がれない絶望感。
男性は2年前、見知らぬ女に声をかけられました。
金になる仕事がある。
行き着いた先はテロ組織でした。

「金持ちは景気の良さを実感していますが、私たち貧しい人間には関係ありません。
政府は貧しい人がたくさんいるのに見て見ぬふりです。
とても悲しい。
金のためなら何でもやってやろうと、あんな所(テロ組織)に入ってしまったのです。」


国を豊かにして国民全体の暮らしを底上げするはずが、むしろ格差という火種を生んでしまっている現実。
国連が今回打ち出したSDGsでは、格差の是正が重要な目標として掲げられました。
さらにSDGsには、ほかの目標と連携して解決するというねらいがあります。
例えば、格差是正を実現するにも、教育の分野では“教育格差をなくす”。
都市環境では“スラムの改善”。
司法制度の整備では“すべての人に法的な地位を与える”など、あらゆる角度からアプローチしていこうというのです。
新たな時代の支援をどう実現していくのか。
国連の真価が問われます。


強まる国連の危機感 野心的目標のねらいは
ゲストアミーナ・モハメッドさん(国連事務総長特別顧問)
●SDGsの目標は非常に野心的で理想主義的 一方で現実的ではないという人もいるが?


私たちは、世界が直面する問題を直視し、対策を取るのか、傷口にばんそうこうを貼るような一時的な対応をしていくのか問われているのです。
私たちは、経済発展と環境問題の解決をどのように両立させるのかという議論を繰り返してきました。
しかしこれらの問題は表裏一体であり、同時に考えていく必要があります。
目標が17もあるのは、私たちの住む世界が、いかに複雑かを表しています。
複雑な世界では、互いに絡み合う問題を総合的に解決していかなくてはならないのです。

●格差が拡大した国々では一部の人が社会から取り残された疎外感を募らせ、過激派に身を投じた この動きは従来型の開発がもたらした課題では?

格差は大きな課題だと思います。
多くの低所得国は経済成長し、中所得の国になりましたが、貧困層は置き去りにされました。
ですから、国内の格差、国と国との格差はともに解決すべき大きな課題です。
私の祖国、ナイジェリアでいえば、社会からの疎外が根本的な問題の1つです。
教育の問題だけではありません。
過激派組織に加わった若者の多くは、教育を受けていました。
彼らは将来に希望を持てません。
国や社会が発展しても役割を与えられず疎外感を感じています。
失うものは何もないと思い込んでいるのです。
そんな状況では何が起きてもおかしくありません。
私は、貧困が事態を悪化させていると思います。
大きな原因が、気候変動です。


気候変動と貧困 止まらぬ負の連鎖

人々が貧困に陥る背景には地球温暖化など、気候変動が大きく影響していると主張するモハメッドさん。
祖国・ナイジェリアでも、人々の生活を支えてきた大きな湖が干上がり、生活の糧を奪われた現実を目の当たりにしてきました。
地球環境の悪化から人々を救うためには、資源の浪費をやめるなど、先進国も含めた取り組みが必要だと指摘しています。


持続可能な開発のための2030アジェンダ
「今年、世界のリーダーには、世界を包摂的で持続可能かつ強靭な開発へ進ませる、またとない機会が訪れています」-ヘレン・クラーク国連開発計画(UNDP)総裁

 

 

UNDPのポスト2015開発アジェンダ・チームを率いるポール・ラッド氏は、各国が新たな開発アジェンダをつくり上げ、気候変動に関するグローバルな合意に達する年として、2015年を語っています。
持続可能な開発のための2030アジェンダとは?

2015年9月25日の「持続可能な開発サミット」で、国連加盟国は「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択しますが、その中には一連の持続可能な開発目標(SDGs)、通称「グローバル・ゴール」が含まれています。

グローバル目標は、ミレニアム開発目標MDGs)、すなわち、2015年までに世界が達成を約束した8つの貧困対策目標を土台としています。MDGsで見られた大きな前進は、目標やターゲットが実証した共通目標の意義を示しています。しかし、MDGsの成果にもかかわらず、すべての人が貧困という尊厳が傷つけられる事態を脱するまでには至っていません。

グローバル目標は、MDGsで積み残された目標を達成し、誰も置き去りにしないことを確実にするものです。

グローバル目標の内容は?


SDGsの目標17項目はいずれも、持続可能な開発、民主的なガバナンスと平和構築、気候変動と災害に対する強靭性という、UNDPの戦略計画の重点分野と結び付いています。貧困に関する目標1、不平等に関する目標10、ガバナンスに関する目標16は特に、UNDPの現在の活動と長期的な計画にとって中心的な意味を持っています。しかし、SDGsを達成するためには、複数の目標にまたがって進捗を支援する包括的なアプローチが欠かせません。UNDPはこのプロセスを支援できる独特な立場にいます。

グローバル目標達成に向けたUNDPの役割とは?

UNDPと国連開発グループ(UNDG)は過去3年にわたり、これまでにないグローバルな対話を促してきました。これによって、政府のあらゆるレベル、社会的弱者層や女性、若者、障害者、民間セクターなど、幅広いステークホルダーとのつながりができ上がりました。

数字で見るグローバルな対話:
• 730万人がマイワールド(MY World)調査を通じ、将来に向けた優先課題の順位付けをしました
• 約100か国で、「私たちが望む世界」に関する国内協議が行われました。
• 「私たちが望む世界」のウェブサイトでは、11のテーマ別グローバル協議が行われました。
• 「私たちが望む世界」のウェブサイトへのページ閲覧は400万件、1か月当たりの訪問者数は7000人を超えています。
• 6回にわたる実施手段に関する協議には、3万人以上が参加しました。
• 革新的かつ実証的なガバナンス目標が5か国で試験導入され、災害リスク削減に関する試験目標も5か国で導入されています。
• プロジェクトの「人々の声」データ採掘ツールでは、100万件を超える定性的意見の集計が行われています。

「100万人の声」と「ポスト2015開発アジェンダの推進」という、グローバルな対話から得られた結果をまとめた2つの報告書には、重要なメッセージが明確に示されています。それは、人々がこの新たなアジェンダ推進に貢献するとともに、政府や企業にその約束実現の責任を問うことを望んでいる、ということです。能力とパートナーシップの強化だけでなく、参加や包摂の重要性も強調されています。


近藤哲生UNDP駐日代表がNHK視点論点で「国連創設70年と持続可能な開発目標(SDGs)」を解説しました
2015年 9月 23日


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近藤哲生UNDP駐日代表が2015 年9月23日放送のNHK視点論点で「国連創設70年と持続可能な開発目標(SDGs)」を解説しました。当日の原稿全文を以下に公開いたします。

視点・論点 「国連70周年と持続可能な開発目標の採択」
国連開発計画(UNDP)駐日代表 近藤哲生

国連は、第二次世界大戦の終結と共に「国際の平和と安全を維持すること」を一つの目的として設立され、今年70周年を迎えました。第二次世界大戦で敗戦国となった日本は主権回復後、1956年に国連へ加盟、国際社会への復帰を果たしました。今年も今月半ばからニューヨークで国連総会が開かれています。会期中には、世界の首脳たちによって、貧困や気候変動など地球規模の課題解決に向けた『持続可能な開発目標』、SDGsが採択される予定です。本日は、国連創設70周年が世界と日本にとって持つ意味と、持続可能な開発目標、SDGsについてお話しさせて頂きます。

まず、国連の歩みを振り返ってみます。国連は1945年、第二次世界大戦で勝利をおさめた連合国側が中心となり、大戦で戦った国が、再び平和を脅かすことがないようにする連合組織として発足しました。その後、国際社会の構図は大きく変化し、1960年以降、アフリカ諸国をはじめ、新興独立国が数多く加盟するようになると、国連は途上国の近代化や開発のために貢献するという役割に比重が移りました。私が所属する国連開発計画、UNDPは、その国づくりを支援するため、1966年に国連総会で設立された機関です。世界129か国に拠点を置き、170か国以上で活動するUNDPは、教育の普及やHIV対策など草の根レベルの活動から、民主的ガバナンスの推進、司法制度の構築、政府職員の能力強化など、国の基盤づくりにも関わってきました。それは国連加盟国からの資金や技術協力によってなしえたことでもあります。

日本もその重要な役割を担っています。戦後賠償の一環として1954年に始まった日本の政府開発援助、ODAは日本の経済発展と共に援助の量、幅を拡大。1991年から2000年までの10年間、日本のODA額は世界第1位でもありました。ODAを通じ て、世界で貧困、教育、保健をはじめ、様々な課題の解決に向けて貢献することは国際社会の一員として重要な責任です。2国間協力や国連NGOなどを通じて、社会インフラの提供、人材育成や技術移転などを実施し、これまで190の国・地域の発展に貢献しています。平和で安定した国際環境は、自国の平和や安定を維持する上でも必要不可欠です。他国との関係を強化し、信頼を得ることは、国の安全や繁栄にも結びつきます。 また、国が国際社会に対して果たすべき責任が見えてくるようになりました。

その責任の一つとして、今から15年前の2000年、世界の首脳たちが、より安全で豊かな世界づくりへの協力を合意したのが「ミレニアム開発目標」(MDGs)でした。これは、2015年までに貧困を半減し、より豊かで健康に暮らせる世界をつくろうと8つの目標を設定したもので、これまで、この目標に基づいて、国連は開発プロジェクトを政府や市民社会などとも協力して実施してきたのです。その結果、1990年には19億人だった極度の貧困層は約8億人にまで減少しました。乳幼児死亡率も下がり、就学率が向上するなどの目標も達成できました。

世界は「具体的な目標を設定し、一丸となって取り組むことで大きな成果を生む」ということも学びました。しかし、妊産婦死亡率の削減目標が達成困難など、依然として、課題も残りました。そして、ミレニアム開発目標の成果と課題を踏まえ、国連加盟国、市民社会、世界の有識者は、長年議論を続け、ようやく今年、2016年から15年間の新たな目標、『持続可能な開発目標』、SDGsに合意しました。

『持続可能な開発目標』、SDGsは17の目標と、169の具体的な達成基準で構成されています。この新たな目標は、貧困や飢餓の解消、安全な水や清潔なトイレの確保などミレニアム開発目標からの流れを汲むものに加え、気候変動への対応、海洋資源保全や利用、持続可能なエネルギーの確保など、途上国だけでなく先進国も自国での取り組みを求められるものが多く含まれています。また、私たちを取り巻く「環境」、生活をはぐくむ「社会」、暮らしの糧となる「経済」、という3つの側面を見ながら開発を進めます。この新たな目標には、インターネットやアンケートを通じて寄せられた、約720万人の一般市民の声が反映されたのも特徴です。

国連創設70周年を迎える今、世界は気候変動による自然災害の増加や生態系の破壊、国境を越える感染症の脅威、格差拡大、貧困に起因する国際テロリズム、そして難民問題といった数多くの新たな課題に直面しています。互いに絡み合い、解決を複雑化するこうした問題に対して、働きかけるために持続可能な開発目標、SDGsは策定されました。この目標は「地球上の誰をも置き去りにしない」、「Leave no one behind」という理念が軸にあります。

私は国連開発計画、UNDPの駐日代表に着任する前はアフリカのチャドや旧ユーゴスラビアコソボ東ティモールなど、戦争に巻き込まれた国の復興や再建に数多く携わってきました。平和、開発、人権尊重が損なわれた社会では、特に女性や子どもが悲惨な生活を強いられ、恐怖や欠乏の中で人間の尊厳が失われてしまいます。

SDGsの底流にある考え方は、持続可能な開発を進める上で前提となる平和です。どれだけ開発支援に投資しても、社会が不安定化し、紛争や戦争が発生することで、それまで取り組んできた成果は大きく損なわれ、回復にも時間がかかります。地震や台風といった自然災害も開発を後退させます。このような課題も踏まえて、持続可能な開発目標、SDGsは人類が協力して取り組み、数値に表れる成果をあげることが重要です。

同時に、新たな開発目標では、先進国から途上国へ富や技術を移転するという従来型の援助構造だけではなく、新たな資金源の確保、アプローチの開拓が求められています。途上国での商業活動を通じてその国の経済を成長させ、社会が抱える課題の解決に貢献する民間企業も増えています。

ソーシャルネットワークや新たな技術、アイディアで貧困を解消し、教育の機会を増やすなど社会への貢献を目指す起業家も数多く活躍しています。それによって、経済が活性化し、雇用創出にもつながっています。国連開発計画、UNDPは毎年、国連総会の時期に合わせて、ニューヨーク、東京を含む世界の各都市で「ソーシャル・グッド・サミット」というイベントを開催して、企業や団体の先進的な取り組みを紹介し、その活動を応援しております。

最後に、強調しておきたいのは『持続可能な開発目標』、SDGs達成に向けて取り組むのは国連や政府だけではなく、地球上で暮らす私たち全員ということです。気候変動への対応、環境保護、平和な社会づくりなど地球規模の課題は、1人ひとりが「自分ごと」として取り組まなくては解決できません。みなさんも日々の生活、仕事、学業などを通じて、17の「持続可能な開発目標」、SDGs達成のために何ができるかを一緒に考え、取り組んでいきましょう。